サンゴの保全活動の一環として、5月24日に竜串の海でオニヒトデ駆除を行いました。
オニヒトデは、サンゴを主食としていますが、生態系の一員としてサンゴの海にとって必要な存在です。しかしながら、各地で異常発生が見られ、サンゴを食べつくしてしまうことで問題となっています。
・岩のくぼみでじっとしているオニヒトデ | ・オニヒトデに食べられたサンゴ |
ここ、竜串の海でも、オニヒトデの大発生が続いており、多くのサンゴ群落が減少しました。これは、サンゴ群落の景観を観光資源としている竜串にとって大きな問題でもあり、生物多様性を守る観点からも、サンゴ群落の消滅は解決すべき問題です。限られた人員で駆除を実施できる海域は限られていますが、一部でも健全なサンゴ群落が存在することにより、減少してしまった海域へのサンゴ幼生の供給元になることも期待できます。
オニヒトデはサンゴの裏側や岩のすき間に隠れている事が多いため、探し出すにはちょっとしたコツが必要です。まず、オニヒトデに食べられたサンゴを探します。オニヒトデは、サンゴの上に乗り、胃を体から出してサンゴの肉を溶かしながら食べますが、サンゴの固い骨格は食べないので、サンゴの白い骨格だけが残ります。食べられたばかりのサンゴは真っ白の骨格が残っていますが、日が経つとコケが生えて茶色くなるので、食べられたあとを追いかけながら、食べられたばかりのサンゴを見つけ、その付近を入念に探すと見つけることが出来ます。しかしながら、オニヒトデの体表に無数に並ぶ棘には毒があるため、注意が必要です。
・オニヒトデの捕獲作業 |
今回のオニヒトデ駆除では、9名のダイバーが集まり、50個体のオニヒトデを捕獲することが出来ました。
この活動は、SATOUMIで行っている、有料入館者1人に付き入館料より3.5円をサンゴ保全のために寄付する事業で、この寄付金を、長年、サンゴの保全活動に携わっている財団法人黒潮生物研究所へ贈呈したことにより実現しました。 N.K