GWの企画展。
今年のGWの企画展では「ガラス細工の生き物たち」~ガラス作家 増永元 Biosphere of Glass(硝子の生物圏)~というテーマで、とんぼ玉を中心に生き物を題材にした作品17作品の展示を行いました。
これらの作品は生物系ガラス作家として活動する増永元氏によるもので、小さな作品に精細に作られた生き物たちの世界に思わずじっくりのぞき込んでしまいます。氏はウミヘビの生態研究者として、博士号を取得しており、その経歴による自然に対する観察眼により作成された作品は、形態的特徴はもちろん、生息環境も含め再現されており、小さな一つの世界になっています。
「アカクラゲの海」 | 「一粒の潮だまり」 |
今回の展示では、ガラスケースの中に展示していたため、見える面は限られていましたが、とんぼ玉作品では、表裏があり、作品によっては異なった生物が描かれています。
例えば、「海草藻場を行く」ではワモンダコが海草の間を泳いでいる光景が再現されていますが、反対の面にはアオヒトデやタコクラゲが見られます。本当は手に取っていろいろな角度から見てもらうことができれば、もっと作品を楽しむことが出来たのにと思うのですが、そこまでお見せできなかったのは残念です。
「海草藻場を行く」:ワモンダコの遊泳 | 「海草藻場を行く」:タコクラゲ・アオヒトデなど |
この展示は、生物そのものではなく工芸品に再現された生き物たちを展示であり、作品も3㎝程のサイズのため、はたしてどのような反応が見られるのか不安もありましたが、顔を近付けて覗き込むように見てくれる人や、スマホで一つ一つ写真を撮る人など、展示に興味を持ってくれる人が多く、ちょっとうれしくなりました。 N.K