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おしらせ・飼育日記
ハナヤサイサンゴの赤ちゃん。

 SATOUMIの2F、サンゴのコーナーにある一番大きなサンゴ大水槽では「有藻性石サンゴ類」というサンゴの仲間を展示しています。このサンゴたちは、体内に褐虫藻と呼ばれる藻類が共生していて、その藻類が光合成で作り出した栄養をエネルギーとして利用しています。そのため、太陽の光が降り注ぐ、透明度の高い浅い海に暮らしています。竜串の海には、このサンゴの仲間が多く暮らし、豊かな海を作りだしている重要な生き物になっています。

 サンゴは岩などに固着し、動きが少ないため変化や成長を感じにくいのですが、時間の経過により、SATOUMIの水槽では、隣同士のサンゴが接触したりと、順調に成長が見られるサンゴも多く見られます。

・擬岩上の小さなサンゴ(2021年12月) ・枝が成長したサンゴ(2022年6月)

 ある時、水槽の擬岩の上に1㎝程の、とても小さなそんなサンゴがあることに気が付きました。最初は、何のサンゴか分かりませんでしたが、やがて、枝状に成長し、その形からハナヤサイサンゴであることがわかりました。

 サンゴの繁殖方法には、折れた枝部分が再び成長し新たな群体となるような無性生殖と、産卵による有性生殖があります。産卵では、体外に放出された、卵と精子が受精し受精卵がプラヌラと呼ばれる幼生になり、やがて、岩などにくっ付いて新たなサンゴ群体へと成長するものが多いのですが、ハナヤサイサンゴは、直接プラヌラを放出するという、ちょっと変わった繁殖方法を持っています。そのため、水槽内でも繁殖することが多く見られます。

・展示水槽のハナヤサイサンゴ

 

 SATOUMIの水槽でも、このハナヤサイサンゴの赤ちゃんが成長し、現在、7群体の小さなサンゴを確認できます。来館された際には、サンゴ水槽の岩の上を注意して観察してみて下さい。小さなハナヤサイサンゴを見つけることが出来ると思います。 N.K