縁の下の力持ち
皆さまはじめまして!K辺です。2022年9月から足摺海洋館「SATOUMI」で
働いています。
今回はアルテミアという生物についてお話しします。
アルテミアとはエビに似た小型甲殻類の一種で、主に小型魚類が餌生物として捕食しています。
当館でも、採集した幼魚やタツノオトシゴ、クラゲなどにあげています。
孵化したアルテミア(右下)と耐久卵(左上)
アルテミアの凄いところは、耐久卵と呼ばれる乾燥した卵をつくることです。
これにより、自然界で環境が悪化しても環境が良くなるまで卵のまま耐えて、環境が良くなると再び発生を始め、子孫を残すことができるのです。
また、その卵は環境条件を整えれば簡単に孵化させることができます。その条件とは、温度20℃以上・海水・通気(エアレーション)です。この条件で24時間程度あれば孵化します。
温度20℃以上、海水、通気(エアレーション)の3つの条件で孵化させているアルテミア
この耐久卵の性質を活かし、乾燥した容器に入れることで長期間保存することができ、いつでも生きた餌を簡単に入手することができます。
当館でアルテミア耐久卵を保存している容器。茶色く見えるのはすべて耐久卵
展示生物だけでなく、その生物たちを支えている縁の下の力持ちのような存在にも着目して生物たちを観察してみてください。
孵化したアルテミア
以上K辺でした。